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[心理× プロレス観戦記]FREEDAMS周南大会『今、話題のFREEDOMS 山口周南初上陸!』観戦記

FREEDAMS周南大会『今、話題のFREEDOMS 山口周南初上陸!』観戦記(16年4月16日(土)山口・コスタデルソル周南)

周南と下関市は下道で片道約二時間強。初めて行く場所なんで、用心して早めに出たら、あっさりナビ通りについてしまった!

会場は屋根付きのサッカー練習場という感じのスペース。なのでサッカーのゴールがそのままある。海沿いで横は壁がないので吹きさらし。そのうえこの日から予報通りの強風になり、まるで台風が上陸したかのよう。これで雨降りだとたぶん屋根付きだけど傘がいる。

しかし、FREEDAMSを見るならこういう場所がいい。なぜならデスマッチが見られるからだ。下は人工芝なんでエニウェアルールもオールok!いかにも山口県の会場らしく、飲食禁止。まあ、普段は別競技のプレイヤーが使う場所だし、仕方ないか。これで土禁ならさすがに勘弁してほしいけど。

コスタデルソル周南みたいな場所は正直地元じゃないと知らないだろうなあ。今回は周南の毛利道場の全面協力のもとで、広島のダブプロレスも協力している。ちょっと九州とは毛色が違うのもいい!

試合前は殿、正岡、魁の3人か前説で登場。柳井市出身の魁がやたらフィーチャーされていた。柳井の話題だと周南までなら距離的にギリギリ届くかな?たぶん下関市なら「?」になったと思う。それくらい山口県は広いのだ。

◇毛利道場提供キッズキックボクシング 1分2R

◯内田勇作(毛利道場/山口) vs 山田遼馬(武勇会/福岡)

毛利道場プレゼンツといいながら、実は武勇会との対抗戦になっていたキッズキックの試合。

当たり前だが、試合前にレガース着用、ファールカップ、マウスピース着用は当然であり、リング上ではヘッドギアのみ装着する。これがイベントの進行をもスムーズにするし、選手も安心して闘える。

この試合、印象的なのは毛利道場の大向さんが旗振り兼応援隊として、後方から声援を送っていたことだった。師範がああしてみてくれているのも心強いはずだ。

彼女は選手としては、個人的に特に印象には残らなかったんだけど、師範、指導者としては大変素晴らしいと思う。不幸な形で現役にしがみつく女子プロレスラーたちの中にあって、彼女は第2の人生を大成功させているようにみえる。やはり人間は多面的な形でみていくと、その変容にしばしば驚かされる。こういうのはとても嬉しく思う。

◇毛利道場提供キッズキックボクシング 1分2R

◯金井琥珀(毛利道場/山口) vs 山田翔馬(武勇会/福岡)

試合の感想は第一・第二試合とごっちゃになるけど、相対的にホームの毛利道場の圧勝。気持ちも強いし、全面に出て行く積極性もいい。なおかつ武道的な指導がなされているのか?礼儀はもとより、選手の姿勢が非常に素晴らしい。こういうのみてると、大向先生以外の師範の指導もしっかりしているんだろうなあ。

プロの前座というより、提供試合として普通に機能していたのも素晴らしい。こうして考えると毛利道場って本当にすごいんだなと思えた。

◇シングルマッチ

×ジ・ウインガー vs ◯藤田ミノル

冒頭で魁ばかりがフィーチャーされて面白くない藤田は、最近前面に出している北九州市民のネタを封印?して、入場してくるなり「俺も山口県民だー!」とアピール。出身だけど住んではいないからね。

選手コールでも実は「身長、体重、国籍不明」なのに、きちんと「山口県山陽小野田市出身」と律儀に紹介されていたのだが、藤田に山口県で試合することに特別な感情があるのは、よくわかる。

しかし、イレギュラーなのはここまでで、ここから先は普段どおり。

折からの強風でリング下におりたのに「風が!風が!(強すぎてリングに戻れない)」というアピールをしたかと思えば、指攻めなど散々反則しながら「山口県じゃこれでいいんだよ」だとか、レフェリーの注意に対し「じゃ、どうやって試合したらいいんだよ?」と逆ギレしたり、まさに藤田節炸裂。

そのうえホーム故の強みかここまでされてもウィンガーにはほとんど声援がなく、藤田にばかり声援が集まる。第3試合だけど、実質第一試合なんで、ゆるい感じになるかな?と思いきや、変幻自在な試合ぶり。さすが職人二人がぶつかると、内容も実に味わい深い。

ふざけているようで序盤の探り合いには緊張感もあった。この緊張と弛緩のタイミングが絶妙なのだ。キャリアを重ねた人間にしかできない業といっていいだろう。

最後は丸め込み合戦を藤田がロープに足をかけてのスクールボーイで押さえ込み勝利!このレトロ感あるフィニッシュもこの2人ならではといってもいいだろう。嬉しそうに勝ち名乗り受ける藤田と対照的に、ウィンガーは去り際まで「反則じゃねえか」とブツブツぼやいていた。いつもは自由すぎるウィンガーが、あえて藤田を自由にさせた感じがした試合だった。

◇タッグマッチ

◯GENTARO、近野剣心 vs ×デビルマジシャン、塚本拓海

もとドラゲーの近野は総合格闘技を経てダブに入った選手。180センチの長身は見栄えがするし、なにより華がある。あのGENTAROの横に並んで輝きを放てるというのはなかなかのもんである。なぜか入場テーマは「るろうに剣心」ではなく、ブルーハーツだったんだけど。

一方のデビルマジシャンは怪しさ全開!いきなりマジックでメダルを出して観客席に投げるサービスぶり。できるけど胡散臭いという感じは正直どストライクである。ダブ勢はぜひ広島だけでなく山口県でもみたい!

試合はこのメンバーだからできるクオリティーの高いものに。塚本と近野がパチパチやりあう中で、フレアームーブ(なぜか4の字はなし)をやるGENRTAROのこだわりが妙にツボをつかれてしまった。それをお客さんがGENTAROの動きを見ただけで「あ、フレアーだ」とわかっていっていたのはうれしかった。いまや娘が現役ディーヴァとして活躍しているご時世に父・リック・フレアーを覚えてくれているというのは本当にありがたい。

そしてマジシャンの火炎攻撃も実にクラシック。まあマジックではあるんだけど、屋内会場だと間違いなく苦情がくるだろう。あのアラビアの怪人ザ・シーク亡き後、こうも堂々と火炎を使う選手はなかなかお目にかかれない。そう考えるとフレアームーブをやったGENTAROと、シークのお家芸を使ったマジシャンとのオールドファッション全日本対決であったともいえよう。

もちろん火炎だけでなく細かいところでもマジシャンはGENTAROを大いに苦しめた。このテクニシャンぶりもツボをつかれたところ。やっぱりプロレスはこうでないとね、という魅力がいっぱい詰まった試合だった。最後がコブラツイストで決めたあたりもまたクラシック。最後までオールドファン感涙だった。

◇Egoist大向美智子プロデュースタッグマッチ

◯土屋クレイジー、アーノルド西村 vs モミチャンチン、×ドラゴンウォリアー

さて山口市の試合からそう間を開けずにEgoistの試合が見られるのはうれしい限り。これだけできる人たちがFREEDAMSのリングで何を見せてくれるのか?興味津々だった。気が付くと殿やほかのFREEDAMS勢もこの試合を熱心に見ていた。

どうも前回と違って今回はどっちがヒール・ベビーという役割分担はないらしい。それでもやっぱり土屋はヒールモードだし、西村はどっちでもない格闘系、ドラゴンはジュニアの正統派で、モミチャンチンはパワー派ということみたい。チームワークは土屋・西村組に分がある感じがした。途中大向先生を呼び込んでの攻撃はたぶんお約束だろうけど、なんか見ている人も選手も当の本人もうれしそうだった。こういうのはなれ合いではなく、いい雰囲気を伝えられているので全然アリなのだ。こうしてみていると、個人プレイのようでいて、プロレスってチームでやるもんなんだなとつくづく思う。

そして驚いたのは、皆山口で見たときに感じた弱点を克服し始めている点である。5分で一回スイッチが切れるシーンは今回見られなかった。これはびっくりだった。こんな短期間で弱点を補正してきたというのはある意味驚異的である。早くも実戦で結果を出せるというのはそれだけ意識が高いという証拠でもある。

また土屋の陰に隠れて今回は目立ちはしなかったけど、ほかの三人も下手すると大化けしかねないにおいを持っているので、一回で見限るのは早計だろう。

土屋のどこがいいかというと派手な見た目以上に、きちんと堅実なストンピングをうてること。大げさに言えば周南出身の長州力のような迫力ある踏みつけ方なのだ。あれひとつで銭が取れるレベルといっていい。たぶん場外ハイフライが一番目立つんで、どうしても飛ぶ系悪役選手のようにみえるんだろうけど、実際は基礎をきちんと叩き込んできている選手だと私は思っている。

ほかの三人だって人間何がきっかけで化けるかわからない。ましてやこれ以上ない練習環境で、仲間と切磋琢磨しあっていけばそりゃ強くもなるだろう。FREEDAMの周南進出に尽力してくれたことはもとより、試合自体が前半の締めに来るくらいレベルが高かったということだけははっきりいっておきたい。いやあ、とにかく毛利道場同士の試合ももちろんいいんだけど、これが他団体の選手とぶつかった時の化学反応はぜひともみてみたい。いつかはFREEDAMS勢と絡む日もそう遠くはないだろう。そう考えると楽しみで仕方ない。

◇タッグマッチ

◯マンモス佐々木、神威 vs 進祐哉、×HAYATA

やはりタブにいるとマンモスクラスとの対戦経験はそう多くはないだろう。進はともかくHAYATAがマンモスや神威に攻め込まれる場面が目立った。もちろんHAYATAがパワーファイトをやる必要はないんだけど、やっぱり難敵相手にもっと一泡も二も吹かせてほしかった。進がHAYATAを立てようとしていたようにみえたんだけど、意外とそのあたりもの足りなさがあった。

とはいうものの、やはり進がそうであったようにHAYATAも経験さえ積んでいけばイケる素材であるのは事実だし、今度ぶつかったときはぜひとも一泡ふかせてほしい。

FREDAMS的にいえば、この2人がいてGENTAROがいてという布陣は完成されているので、ここに正岡や進がどう絡んで、看板のひとつとなっていけるかが課題だろう。若い団体とはいえ、いつまでも殿や葛西の看板頼みで大会を開くのは本人たちも不本意だろうけど、パンフレットに書いてあった高岩のコメント、「葛西に頼りすぎ」というのは事実だと思う。カリスマを倒すのは容易ではないけど、でもやりがいはあると思うので、なんとか成し遂げてほしい。

◇メインイベント・有刺鉄線ボード6人タッグデスマッチ

葛西純、竹田誠志、×吹本賢児 vs ◯正岡大介、佐々木貴、魁

広島を拠点にしながら、実は山口県柳井市出身の魁。山口で試合するのはたぶんそうないはず。距離的にいうと、柳井市なら広島に近いため隣県でありながら来られないというのもある。でもタブにはぜひ山口でもっと試合をしてほしい、無理は承知でお願いしたい。広島だと泊りにするしか観戦方法がないし、なんとかならないものか・・・・

試合は魁以外のメンバーが上手に魁を目立たせる配慮をして試合をしていた。やっぱこういうおぜん立てはFREEDAMSのお家芸といっていい。場外乱闘で会場をあっためておいてからの、有刺鉄線ボードには魁が最初の犠牲者になり流血、そこから葛西たちがかさになって攻めたてると自然と魁コールが沸き上がる。まさにこれぞプロレス!この流れに全く不自然さがない。ただ、葛西が「広島の男はこんなもんかよ」といいながら魁を殴っていたら会場から「いやいや山口(県人)だから」と複数のお客が突っ込んでいた。それを耳にしたセコンドの藤田が「そうだ、そうだ」といいながら有刺鉄線を片づけていたのがおかしかった。
しかしただの引き立て役で終わるはずがないのもFREEDAMS勢。やはり葛西の存在感は他を圧倒していたし、その葛西に食らいつくように向かっていった正岡も闘志あふれる感じでよかった。少しずつだけど、殿と葛西の二強時代からFREEDAMSの光景が変わり始めているといっていいかもしれない。そしてだいぶん後になったけど殿の出番もしっかりあって後半では乱闘を制して正岡の勝利をアシストする形にはなっていた。世代交代される側としては心中複雑だっただろうけど。

試合後のマイクも勝利した正岡が締め。やはり打倒・葛西を相当意識していたらしい。こういうところも以前のFREEDAMSとは明らかに変わった点であるといえよう。ただ一つ難点をいえば、せっかく法人化したので専門のレフェリーをいれてほしい。今回レフェリングしていたのは、後楽園で(選手)デビューするらしい人が担当していたんだけど、はっきりいってポジションが選手と被って邪魔でしょうがなかった。ここが今回唯一の難点だったので、次回からはぜひご検討をお願いしたい。

個人的には先週の葬式からはじまって震災があって、おまけに余震で寝不足に長距離運転と全く気が休まらなかった(実際会場でも地震に対する注意アナウンスがあり、場合によって試合自体が中止になることもある旨告げられていたほど実は余震にも警戒していた)ので、このタイミングでプロレスがみられたのは本当にうれしかった。そして最後まで大会が見られることがこんなにありがたいことだとは思いもしなかった。

今度はここでいただいた元気を九州まで持っていけるといいなと思っている。

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