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プロレスリングFREEDAMS大分中津大会観戦記(2015.7.18 土 中津体育センター)

プロレスリングFREEDAMS大分中津大会観戦記(2015.7.18 土 中津体育センター)

山口県と大分県は隣県同士である。だが、移動手段は車であろうと、電車であろうと福岡県経由でなければ行くことはできない。隣県にいくのに、往復5,000円近いお金がかかる事実は首都圏では想像もつくまい。

地デジでなかったころ、大分のテレビ放送が受信できたので、映りの悪い福岡県の放送局より、大分局で全日本プロレス中継をみていたのも懐かしい思い出だ。

隣県であるにも関わらず、とても遠い大分。温泉があるならまだしも、そうでない中津に行くのは当然はじめて。

ソニックが想像より早すぎて開場2時間前に到着。ナビに従い歩いていたら前方にGENTAROさんが歩いていたので、そのまま後をついて行ったら会場に無事到着!まあ、もう少し余裕があれば中津観光もしたんだろうが、台風一過のこの日はとにかく暑い!

日陰で涼を求めながら開場を待つことにした。

会場は土禁ということで、こういうケースは山口県でも珍しくはない。夏場の大会ではむしろありがたいくらいだ。冬場の土禁はかなり堪えるので、ある意味助かるのだ。

今回の目玉はやはり中津初進出のFREEDAMS自体もそうだが、華☆激のレフェリー、ミスタースーの他団体初デビュー戦でもあった。観戦仲間がこうしてプロのリングで活躍するからには同志として応援せねばなるまい。見る前から今回はどうしてもレフェリー目線で見ちゃう予感がしてもいた。

ところが田舎町特有というのか、マイクの調子が超絶に悪くて、進行がグダるかと危惧したが、そこは全国を回る団体だけあって、トラブルの対処も超一流であった。ルール説明のため、杉浦と正岡を招き入れ、ミスタースーのレフェリングつきでルール説明。

まあ、急ごしらえにしてはよくできていた。しかしモモタロウリングアナの機転はさすがだなと思った。

◇がむしゃらプロレス提供試合 TOSSHI、○陽樹(体固め 8分11秒)鉄生、トゥルエノ・ゲレーロ●

※YCD

◇がむしゃらプロレス提供試合

TOSSHI、陽樹 vs 鉄生、トゥルエノ・ゲレーロ

そのミスタースーは、がむしゃらプロレス提供試合で、他団体デビューとなった。正直ホームグラウンドの鉄生対陽樹だとさすがにスーさんでも重荷かな、と思ったが、よくよく考えるとこのあと出てくるプロ選手の方がよっぽど自由なんで、そういう意味では、やりやすい試合だったかもしれない。

やはりというか、団体対抗の色合いより鉄生対陽樹、ゲレーロ対TOSSHIの個人戦の色合いが強くなったが、こうなると元々チームメイトだったTOSSHIと陽樹の連携と、利害が一致しているだけで組んでいる鉄生とゲレーロという部分で明らかな差が生まれていた。

陽樹も鉄生だけをみているようでしっかりゲレーロにダメージを与えていたし、このあたりには成長のあとがうかがえた。

一方ゲレーロは身長では陽樹に負けないもののいかんせん軽い。ジュニアだから云々ということではなく、ヘビーに打ち負けない体作りもこれからの課題になるだろう。

実際身長で劣るTOSSHIやYASUがヘビー級相手でもいい試合をするように「もしかしたらヘビー級食うのか?」くらいの期待感を抱かせる試合をしてほしい。でないと、やはりTOSSHIからベルトとるということはそう簡単な話ではないだろうからだ。

正直今のままだと、まだGWOの戦力としては考えられないかなあ。しかしTOSSHIの首を狙う以上は正規軍とも組めないわけで、このあたりの立ち位置が試合に影響するようだと困るんだが。

◇ミクスドタッグマッチ

ジ・ウインガー、●山下りな(片エビ固め 11分9秒)神威○、神田愛実 ※スワントーンボム

今日こそは勝つぞ!と意気込むウインガーは意気込みとは裏腹ないつも通りのウインガーだった。

普通に神田と絡もうとしてるし、普通にのらりくらりしているし、相変わらずだなあと思った。

神田対山下の絡みは純粋にシングルでもみたいけど、女子同士の試合があると、提供試合っぽくもみえるので、初進出の場所ではこのカードでよかったのかもしれない。

神威はベルトとってからやはり少し変わった感じがした。ウインガーのペースに飲まれそうになり、誤爆もしたが、神田のアシストもこなし、最後は自らウインガーをフォール。結局ウインガーはこの日も勝てなかった。

◇シングルマッチ

●杉浦透(飛びつき前方回転エビ固め 14分10秒)藤田ミノル○

いやあ、若手とばかり思っていた杉浦が1年みないうちに急成長していた。

最初ややおちゃらけ気味な藤田が途中からシリアスモードに切り替えたのが印象的だった。

場外でもリング内でも若手というより1人の対戦者として杉浦を扱いながら、要所要所でリズムを狂わせ藤田ワールドに持ち込んで行く、そのさじ加減が実に絶妙だった。

杉浦もこの位置で藤田と対戦する意味をわかっていたのだろう。気をてらわずにオーソドックスな攻めに終始。去年までのバタバタした感じがだいぶんなくなっていた。

そこがやはり藤田としては嬉しかったのだろう。自分のマイクアピールをする前に、まず杉浦を褒め称えていたが、これは本心だろう。

そしてマイクの調子が悪い中、竹田をテーマ曲付きで呼び出し、翌日の門司大会のシングルマッチに竹田のベルトをかけるよう要求。「次の防衛戦が決まっている」と渋る竹田を会場の声援を味方につけた藤田は強引にタイトル戦に変更してしまった。

◇シングルマッチ

△マンモス佐々木(両者リングアウト 2分41秒)阿蘇山△

※再試合

△マンモス佐々木(ノーコンテスト 4分10秒)阿蘇山△

自団体に自分と同タイプの巨漢がいない阿蘇山にしてみれば、マンモスみたいな対戦相手とぶつかっていけるのはレスラー冥利に尽きるのだろう。

試合は序盤から荒れ模様になり、おたがいがヒートアップして試合はいつしか場外に。

そもそもFREEDAMSは場外戦がウリのひとつなんで、ある意味レフェリーのさじ加減ひとつでこういう試合はどうとでもなる。マンモスと阿蘇山がやり合いながら会場の外に出た時もミスタースーは厳格にカウントを数えていた。

プロレスファンとしては、長い場外戦もみたいファン心理もよくわかるはず。そこへ私情を挟まず、きちんとカウントアウトにしたミスタースーのレフェリングは賞賛していいと思う。

まあ、おさまりつかないから再試合かな、と思っていたら予想通り再試合にはなったが、やはり一度ヒートアップしちゃうとなかなかとまらないのはレスラーのサガ。

結局はレフェリーの前でぬけぬけと反則を繰り返す両者にノーコンテストの裁定が下ったが、そもそも反則が見逃されるものという間違ったプロレス観が蔓延している中、きちんとルールに則った裁定を下したミスタースーのレフェリングぶりが光った一戦であった。

ちなみにこの試合も阿蘇山が不服を唱え、神威とマンモスがもつタッグべルトに、門司大会で阿蘇山・久保組で挑戦が決まってしまった。

◇シングルマッチ

●GENTARO(腕固め 11分1秒)進祐哉○

プロレスにおける最上級の勝ちは三つ数えられるピンフォール勝ちにあるという美学をもつGENTAROにしてみれば、やはりギブアップ負けは屈辱かもしれない。

しかしこの試合で特筆したいのはGENTAROが腕を痛めたとみるや、そこを非情に付け狙った進を褒めるべきかもしれない。

終始GENTAROペースで試合が進みながら、キックで動きをとめ、執拗な腕殺しは確実にGENTAROのペースを狂わせていた。

この試合の進はどこか殺気だっていて、終始刃物のような鋭さを纏っていたが、最後は腕殺しからの、大巨人殺しにでたのが、これでGENTAROはタップアウト。痛めた左肘を苦悶の表情で抑えるGENTAROは潔く進と握手。

こういうかべになるベテラン役をGENTAROが演じているのも、感慨深いが、それを乗り越えていく進の姿も素晴らしいと思った。

やはりFREEDAMSの勢いは本物だと言っていいと思う。

◇ハードコア6人タッグマッチ

佐々木貴、正岡大介、○小川内潤(片エビ固め 16分36秒)竹田誠志、葛西純、吹本賢児●

※雷音

この中で注目なのは、凱旋の小川内よりやはり現王者竹田と、進と並び急成長株の正岡。

数年前なら格落ちしたであろう正岡が、正規軍の一員としてしっかり機能していたのも凄い。やはりデスマッチを体験してから実に堂々としてみえる。

こういう戦力がいるから、地方にもほぼ純血メンバーで挑めるのがいまのFREEDAMSの勢いを象徴していると思う。

試合は小川内のローンバトルが続き、客席がヒートしはじめたあたりから盛り上がり出し、小川内が自らピンをとって、凱旋勝利を飾った。

小川内はFREEDAMSにはよくあがる選手だが、言ってみれば、他団体の選手である。凱旋大会をわざわざFREEDAMSが用意する理由はあまりない。しかし貴重な初進出大会のメインを小川内には任せた佐々木貴の懐の深さはやはり大したものだと思う。またそれに小川内もよく応えてみせた。

惜しむらくは凱旋ながらあまり小川内の身内らしい身内が来ていなかったようにみえたのだが、これを機に凱旋が定着していけば、更にこの日の上積みも期待できるだろう。

終わってみれば超満員札止め。決して狭くはない会場をフルハウスにしたのだから、やはり殿の営業力はハンパない。盛況と言われる北九州だって最初の入りはかなり寂しかった。

結果が即出ないと撤退というのも、利益を追求する営利団体なら当然の判断なのだが、辛抱強く粘り腰で聖地を切り開いていく佐々木貴の姿勢にはやはり胸がうたれる。

今後、中津が九州二番目の聖地になることは間違いないと思う。冷房のない中汗だくで観戦したけど、こういうアナログチックなプロレスも悪くない。

来年もできるだけ中津にいけるよう頑張ろう!

-プロレス観戦記