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[プロレス観戦記復刻版] DDT博多三分の計.第2部.博多スターレーン大会

2018/05/25

DDT博多三分の計.第2部.博多スターレーン大会(09.12.13日.於.博多スターレーン)

外はあいにくの雨。予報では曇りといっていたのに午後からぱらつきはじめた。13時に家を出発。父を途中、病院に置いて、そのまままっすぐに小倉へ向かった。小倉までの道はまたしてもスムーズに行き、あっという間についてしまった。

新幹線との連絡もうまくいって、14時40分にはスターレーンについてしまった。開場15時だし、ちょっと入れてもらえないのでは?とおもっていたら2Fスペースを当日券売り場として開放していた。

DDTオンリーの花輪も届いていて、地方大会とはいえ、ちょっとしたビッグマッチ感覚である。まあ、開放していると言っても、会場にはシャッターが降りていて中がみられないようになっていたけど。そして列の最後尾について待つこと数分、予定通りに15時きっかりに開場。こういう進行がきちんと出来ているというのは、三団体合同興業だからというのもあるのかもしれないけど。

売店では売店の主?大家選手がさかんにグッズを売っていた。まあ当然というかパンフしか買わなかったけど^^でも1000円というのは今時良心的な価格である。驚いたことにパンフの客にもサインフリーにしていたこと。どうせグッズ買わないとサインもらえないと思っていたので、リングアナ氏のアナウンスでサインがもらえると知ってあわてて、サインをもらいに行った。イタリア軍をのぞくと、試合前にヤス.ウラノ.KUDO、休憩中は男色ディーノ、美月凜音、HARASHIMA、大鷲、試合終了後にはメインの全選手がサインや記念撮影に気軽に応じてくれた。

開演するとまずはリングアナ氏がひとしきりルール説明やら、応援の仕方などをレクチャー。でも実のところそれは必要なかったみたい。リピーターが3分の2をしめている会場ではもう既にオープニング曲で手拍子が起こり、リングアナ氏にはしっかりブーイングが飛んで全く問題なし。DDTビギナーはその空気に乗っかるだけで良かったので
非常に楽だった。

第一試合
○男色ディーノ vs ●安部行洋&高尾蒼馬+大家健

入場してきた若手二人が早速マイクで会話。この辺はエンタメらしい展開。男色ディーノが新日本のJ-CUPに出ることを盛んにあおっていた。仮にもプロレスラーなのに
一対一で闘わせてもらえないとぶつくさ言っていた割には、である^^

しかし、ここで致命的な欠点が発覚。スターレーンというのはご承知の通りもともとはボウリング場である。だから音響に関してはぶっちゃけ下手な地方大会より悪いのだ。これが災いしてマイクを持ったはいいがはっきり聞き取れないのである。リングアナ氏の甲高い声もそうだったが、これはとうとう最後まで誰がしゃべってもそうだった。これは致し方ない。

そうこうしているうちに男色ディーノ入場。当然狂乱の嵐である。キスの雨が降り、逃げまどう男性客。そんな中いつの間にやら、売店から大家選手が飛び出してきて「俺も混ぜろ」とアピール。ということでいつの間にか1対3の試合がスタート。

しかし、フツーにレスリングしてもできるのに、場外戦を巧みに挟みながら、終始ディーノが試合をリード。いいところはあったのだけど、試合そのものは全くのディーノペースだった。最後に大家がディーノに売店の売り上げ貢献のためにキスサービスを頼んでいたら「おまえがやれ」といわれてしまっていた。

第2試合

○美月凛音 vs●谷口智一

新人とは思えぬ谷口の肉体に、美月選手が細く見えた。しかし、それはあくまでキャラとして、ホストという役を全うしていただけの話し。試合展開は実にうまい。所々に毒霧の代わりに酒しぶき?を浴びせて谷口選手の視界を奪うなど、小憎らしいほどに自分のペースに持って行く。谷口選手もごつごつとした試合運びは新人離れしていると思ったが、肝心の所でペースがつかめない。

試合は剛の谷口、柔の美月という感じで、パワーとテクニックががっちりかみ合った
好勝負となったが、最後は見事なジャーマンで美月が勝利。相手の持ち味も生かした上でちゃんと勝利を収めた美月のプロレス頭がさえた試合だった。第1試合のあとがこのようにフツーのシングルマッチだったんだけど、全く問題なかった。

谷口選手は磨けばまだまだ伸びる素材だと思った。上はつかえているので昇進は容易ではないけど、頑張ってほしい。

第3試合
アズールドラゴン青い稲妻7番勝負

●アズールドラゴン vs ○フランチェスコ・トーゴー

地元のアズール.ドラゴンはバンフにも名前が載っていなかった。せっかくサインもらおうと思ったのだけど、残念。大家ものっていなかったな。そういえば。あと、パンフについて言えば、対戦カードを載せていてほしかった。これはポイントとしてちょっとマイナス。

さて、試合だが、トーゴーがうまいのは今に始まったことではないけど、前半の第3試合という特にポイントのないシングルマッチをそつなくこなしていたのは、さすがとしかいいようがない。どっちかというとこの日のトーゴーはパワーファイトで押しまくっていた印象が強かった。ラリアットも多発していたし、大阪プロレスでみて以来だから、ずいぶん変わったなあという感じがした。

試合は比較的淡白にドラゴンがあまりいいところなく負けてしまった。

第4試合
○HARASHIMA&大鷲透 vs MIKAMI&●伊橋剛太

がむプロではラダーもって登場したMIKAMIだったが、今回はなし。自分とこではフツーのプロレスをするのか...と思ったけど、これもエンタメというよりフツーのプロレスだった。このメンツの中で明らかに伊橋が一枚おちるというのはおそらく会場の誰もがそう思ったのだろう。ところがこの人、見た目と全然違ってキックは出来るわ、ジャーマンはやるわ、空中戦もやるわで、動く動く。そのたびに会場からどよめきが起こる。

MIKAMIはあくまでフォローに回っていたけど、それでよかったのかもしれない。がむプロの時は自分のウリをアピールしないといけない場だった。今回は後輩をたてるという試合運びが要求されていたのだから。

そして、伊橋が思い切ってぶつかっていける相手としてHARASHIMA&大鷲透というのはうってつけの対戦相手。情け容赦ない蹴撃と肉弾戦で貫禄を見せつけた。まあ、結末は予想通りとして、お互いの良さを出しあったいい試合だったと思う。最後のマイクで、東京大会の前振りをしていたけど、「博多には年に1.2度しかこられないので次来るときはベルト巻いてきます」と HARASHIMAが必勝宣言。そしてお約束の「鍛えているからダー」....はなぜか大鷲がやってしまった^^

ここで休憩。先ほどまで闘っていた HARASHIMA&大鷲透が売店に登場。たまたま HARASHIMA選手が前を通ったので、サインもらったら、ちゃっかりTシャツ買わされそうになった。あぶない、あぶない。

第5試合

KO-Dタッグ選手権試合3THスレッド

<王者組>KUDO&ヤス・ウラノ vs マサ高梨&佐藤光留<挑戦者組> vs アントーニオ本多&ササキアンドガッバーナ<挑戦者組>

*王者組が防衛。

これはもう6人のプロレス頭が目まくるしく動き回った試合だったといってもいい。実のところ試合がぐちゃぐちゃになるのではないかと思っていたのだが、こちらの予想を
遙かに超えた、このルールならではの試合風景が続出。個人的にはKUDOもヤスもシングルでみたい人材だったんだけど、タッグ王者と言うことでは致し方ない。なにせ特にヤスの場合は、K-DOJO博多初進出の時の試合を鮮烈に記憶しているので、テクニシャンとしての彼の試合を見たかったのだ。

しかし、その代わりに先ほども言ったようにちょっとほかではみられない展開が続出。もう試合追っかけるのがやっと言う有様。やっているほうはよくぐちゃぐちゃにならないものだと感心してしまった。とにかく全員頭がいいし、引き出しも多い。

自分のウリもきちんとわかっているし、それぞれ見せ場も作る。最後は王者チームが防衛を飾ったが、これに不服を唱えたアントーニオがマイクでアピール。しかし、何言っているのかいまいち聞き取れなくて残念。たぶんおもしろいこと言っていたんだと思うんだけど、会場の隅には届いていなかったので、それが残念だったかな。

メインイベント
エニウェアフォールマッチ 4WAY
●高木三四郎 vs ○飯伏幸太 vs ●中澤マイケル vs ●石井慧介
退場順~マイケル.石井.高木
*飯伏の勝ち残り。

前日の博多大会でも同じカードがメインだったらしい。予定ではこの試合はセミになっていた。まあ結果的にはこの試合が昇格して正解だったと思う。マイケルがマイクで「昨日負けたことは認める」とアピールしていたが、入場時から既に起こっている「CEO」ならぬ「塩」コールにを抱えていた^^(試合後もらったサインにはしっかり「CEO」と入っていた。まあ当然か...)試合は途中でマイケルの予告通り場外にマイケルと飯伏が、場内で、高木大社長と石井が闘うという展開に。当然人気者の飯伏の後を追う観客もいたのだが、ここで意外な展開が。

なんと観客のほとんどは大社長の試合を見る方を選択したのだ。果たしてそれは吉と出たと思う。ここで大社長のプロレス頭が炸裂。フツーならアイテムとして持ってきたアコースティックギターなら凶器にして壊してしまうところを、なんと最後まで持たせてしまった。そしてあろうことかリング上でジャイアン.リサイタル(博多ということでチェッカーズのナンバーを披露)まで開く始末。逆に石井も負けずに歌い返すのだが、社長以上にひどい歌声で、しかもギターの持ち方がメチャクチャ。これには大社長が悶絶。

まるで蛇界の呪文にかかったかのような展開に、会場大爆笑。ここで、マイケルが「路上ムーンサルト」で、早々に敗退というアナウンスが...

期待通りというか、予想通りの展開に観客大受け。だが、見せ場はここからだった。何のことか状況を把握しきれていないまま、戻ってきた飯伏。最初はギターを手にどうしようという感じでいたが、ギターごと社長にその場飛びムーンサルトを決めれば、大社長も飯伏の鋭い蹴りを二の腕ではじき飛ばすというダイナミックな反撃。試合は一進一退の攻防を見せ、正直どっちが勝っても不平は出なかったと思う。

しかし、試合は飯伏が取った。取ったというか、取らされたのだ。これはとてつもなく重いことである。高木はギターを単なる凶器としてではなくアイテムとして試合で使いこなしていた。歌の出来はともかくとして、それも計算の内だったと思う。そして、何より大切なのはプロレスラーとして一番大切な意地の部分で「負けてたまるか」という意思表示を体全体で表現していたこと。これは大切なところ。

飯伏に足りないのは、まさにその感情表現の部分で、今はぼくとつとした愛すべき好青年でいいかもしれないが、大社長が背負っている責任とか、使命感とか、興業全体をまとめ上げるリーダーシップとかとにかく学び取らなければならないことはたくさんある。

今回、場外に出たのは、まさに見えないところで大社長と勝負する気だったのだと思うが、観客のほとんどが「残る」事を選択したことを飯伏には重く感じてほしい。

プロレス界全体の未来を担う逸材であるだけに、まだまだ課題が多いと言うことがわかったのは逆に言うとほっとした部分だった。そして今回社長から渡された白星という「バトン」を将来につなげていってほしいと思う。

試合終了後のバク転タイムで、わけのわからないオール英語のカンペを棒読みしていた飯伏はフツーの青年の顔をしていた。リングでバク転した後、控え室に入る前にもう一度バク転するサービスもしてくれた。

本当に素はぼくとつとして誰からも好かれる人物なのだろう。この試合に限ったことではないのだけど、売店でグッズ販売していた大日やKの選手スタッフが本当に心から楽しんでいたのが印象的だった。それだけ同業者からも好かれているというのは本当にすばらしいことだと思う。

全試合終了後、次の大日本の開場がはじまるギリギリまで飯伏はサインや写真撮影に応じていた。いわゆる「三四郎集会」では、大社長自らがサインを入れた先ほどのギターをジャンケン大会でファンにプレゼント。はずれた子供にはきちんと謝っていたのが社長の人柄を表していた。「次回は6月に来たい」「九州ツアーもやりたい。長崎にも行きたい」などとリップサービスはあったものの、「どこか一緒にやってくれる団体があれば」と付け加えるのを忘れなかった。

やはり単独ではどうしても慎重にならざるを得ないのだろう。今回のように画像を使ったりしない地方大会のハウスショーでは、いかにプロレス頭をフル回転さけなければならないか、そして当然のことながら試合で魅せると言うことを第一に置かないといけないか...マイクはあくまでも付け足しであって、試合で魅せることが出来なければプロとは言えない。そういう意味でDDTの選手のほとんどは見事に鍛え抜いた肉体をしていたし、みんなよく練習しているなと思った。

全員のプロ意識が高く、なおかつインディーらしい遊び心も忘れていない。DDTの場合、既に若手以外の各選手に知名度もある。特に飯伏の実力と人気は本物で全国区である。

今年の締めくくりにすばらしい大会を作り上げてくださったDDTの選手.スタッフの
皆さんには本当にありがとうございました、といいたい。(完)

*追伸*

この日お客として来ていたがむしゃらプロレスの皆さんに挨拶させてもらった。年明けにプロレス居酒屋がむしゃらに行くことをここで決めていた。

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