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[プロレス観戦記復刻版] 大日本プロレス97大日本武闘派宣言~闘仁~第二戦下関大会

2018/08/29

大日本プロレス97'大日本武闘派宣言~闘仁~第二戦(1997年9月12日 金 海峡メッセ下関 観衆1770人)

海峡メッセのとなりにある市営駐車場横で信号待ちしていると、となりの車が大日本の宣伝カーだった。実は昼間も精力的に街中を走り回ったのを目撃していた。だが、お疲れなのかドライバー氏はハンドルに頭をもたれていて、信号が変わったことにも気づいていない。ほどなくして、気がついたらしいドライバー氏は、頭を振って車を発進させていった。どこの世界も営業は大変だ。

さて、入り口のところでコンピュータが発券したチケットをみせると、なぜかモギリの人がびっくりしていた。どうもこの時点で、こうしたタイプのチケットをみたことがなかったらしい。こういうのもインディっぽいっちゃインディぽいよなあ(笑)

さて、会場の海峡メッセは今までフル使用する団体がほとんどだったが、実はハーフスペースでも使用できる。今まで来た団体はなぜかフルスペースでしか使っていなかったのだが、だいたいの団体は入りがスカスカで「無理してフルスペース使う必要ないのになあ」とは常々思っていた。

団体のメンツ考えるより、コンパクトに使えばいいのだけど、今回大日本がメンツを捨てて、ハーフスペースにしたのは英断だったと私は思っている。

だが、英断ついでに冷房切られていたのは正直辟易した。9月とはいえ、まだ彼岸前はかなり暑い。その証拠にロビーではガンガン冷房が効いていたのだ。とはいえ、下関体育館は冷暖房なしだから、まあ「元に戻った」といえばそれまでなんだけど。

第一試合:15分一本勝負
〇藤田穣 対 ×本間朋晃
(10分47秒 ノーザンライトスープレックス)

私の隣に座っていたご婦人が盛んに「穰くーん!」と声援を送っていた。さすが隣市の小野田市出身。地元の応援団が大挙してやってきていたようで、完全に藤田のホームという空気に。

一方の本間は藤田より身体の厚みがあり、体格を生かしたパワーファイタータイプの選手。前半は本間がそのパワーを駆使して、押し気味に試合を進めていく。

かたや藤田はデビュー戦から空中戦に頼りすぎな試合をしていたが、この日の空中弾はドロップキックのみ。このあたりに拘りみたいなものが感じられた。

しかも要所要所でこのドロップキックが試合の流れを変えて、自分のものにしていた藤田は、立て続けにジャーマンをはじめとする各種スープレックスで本間を追い込んでいく。自身のベースであるアマレス仕込みの技を畳み掛けていくが、本間にも意地がある。ことごとくカウント2で跳ね返し、粘りをみせる。

だが、藤田はとどめに高角度のノーザンスープレックスを猛スピードで決めてカウント3!あまりに勢いがつきすぎたせいか、決めた藤田が頭を抑えていた。

まだまだ荒削りながら、本間にも藤田にも十分将来性を感じられた試合だった。

第二試合:20分一本勝負
×藤村奈々&川崎美穂 対 小山亜矢(亜利弥’)&〇ネフタリ
(12分53秒 パワーボム→エビ固め)

吉本女子プロレスJd′から移籍した藤村と小山は、当然大日生え抜きになる?川崎に比べるとプロレス経験がある。ガタイもでかく、見た目なら「できそう」にみえる。ビジュアル的にもパッと目を惹くものがあった。こういうのはプロとして大事な要素。

しかし、いざ試合が始まると試合のほとんどは川崎とネフタリがリードしてしまう。まあ、川崎がローンバトルになってしまったから、というのもあるが、藤村は出てきてすぐやられてしまうので、川崎のフォローができていない。

かたや小山はネフタリのフォローはできているものの、自己主張が弱すぎて積極性に乏しい。アピールらしいアピールもしていなかったし、せっかく始動した大日本女子部の存在をお客さんに印象付けるところまではいけていなかったようにみえた。

小山はサポートタイプの選手なのかもしれないし、こういう役所も必要なんだけど、やはりキャラクターがお客さんに印象づいてない時点では、ある程度のアピールはしても良かったかな?存在感が消えていたのは、やはりプロとしては課題になりそうな気がした。

逆に川崎はやられてもやりかえしていたし、自力で攻勢に転じる場面も見られた。気迫も手数も4人の中ではダントツ。この中では一番印象に残った闘いっぷりだった。

結果的には川崎から分断され、残った藤村に対して小山とネフタリが畳み掛けた。結果、川崎よりダメージが少ないはずの藤村があっさりやられて試合終了。

コーナーにいる時は声出して川崎を激励していた藤村だったが、自分が出てくるとあっという間にやられてしまうのは、どうかとは思う。

第三試合:20分一本勝負
〇岡野隆史(ジ・ウィンガ―) 対 ×スンビート
(13分26秒 オキャノンボム→エビ固め)

華やかな音楽と共に入場してきたスンビート。どうみても夜店で売っているお面の方がまだマシな出来にみえるマスクといい、シューズにカタカナで「スンビート」と書かれていることといい、見た目は「とんだ一杯くわせもの」臭がプンプンしてくる。

だが、そんなスンビートがリングインした瞬間、キレイなトンボを切ってみせた時点で、「おおっ!」という驚きに満ちたどよめきが会場を包んだ時点で「何かが違う」と思わせたのだ。

序盤から続いたグラウンドの展開には岡野の成長もみてとれた。若い時はひたすら派手な技に走りがちだった岡野がじっくりしたレスリングで魅せられるようになったのは隔世の感があった。こうした岡野のグラウンドに付き合っていたスンビートもなかなかできる、と思わせるものがあった。

そしてメキシカンといえば空中戦。打点の高いドロップキックで岡野を場外に叩き出したスンビートは、更にドラゴンロケットのようなスピーディで鮮やかなトペで追い討ちをかけた。

会場の空気を掴んだスンビートは、リングに戻ろうとする岡野めがけて三角飛びプランチャ。あまりの早さにどよめく会場。

だが、岡野もここから反撃していく。スンビートのムーンサルトを自爆させると、自分もコーナー最上段に登り、ムーンサルトの体勢に。「大日本プロレス万歳!」という掛け声と共に、宙に舞う岡野だったが、こちらもスンビートが避けて自爆。

スンビートはすかさずラ・マヒストラルで丸め込むが決定打には至らず。これで持てる力をフルに発揮し尽くした感じに。これ以上にもう二つ、三つ手があれば勝てたかもしれないのだが、あとは岡野の猛攻をキックアウトするだけになってきた。

その頑張りには会場から大声援を浴びたスンビートだったが、最後は岡野のムーンサルト→オキャノンボムの前に沈んでしまった。だが、大健闘したスンビートには惜しみない拍手が送られ、退場時には握手攻めにあっていた。

第四試合:30分一本勝負
谷口裕一&×藤田穣 対 シャドウ№5&〇シャドウ№7
(腕決めフロントスープレックス→片エビ固め)

この日2試合目の藤田が先輩・谷口と組んでシャドウ軍と対戦。イキのいいドロップキックはこの試合でも健在で、会場は大いに湧くものの、キャリアの浅さはいかんともしがたく、敵陣に捕まってしまう場面が度々見られた。

だが、藤田よりは体格で勝る谷口がカバーし、試合は一進一退に。谷口もまだキャリア的には若手の部類にあるため、上位陣との対戦ではいたぶられる場面も多々あるのだが、この日の谷口は体格を生かしたダイナミックな攻撃が目立ち、シャドウ軍と互角に渡り合っていた。

地元の大声援を受けた藤田も奮闘したが、最後は力尽きてピンフォール負け。だが、終始大日本コンビの健闘が光った好試合だった。

第五試合:30分一本勝負
〇田尻義博(TAJIRI)&山川竜司 対 (新東京プロレス・石川一家)石川孝志&×松崎駿馬
(15分46秒 ドラゴンスープレックスホールド)

実はこの日、売店で中牧・山川・田尻の三選手がサイン会を開いていた。しかし、そもそもの入りがまばらだから、サイン会参加者もまばら。おまけに余分な色紙買うお金がないので、私も断念。もったいないことをした。少し悔いが残る。

新日本とドームで対抗戦したとはいえ、大日本の知名度は地方にまでは浸透していない、という現実をみた思いがしたが、山川はセコンド業務を黙々とこなし、田尻は会場後方でアップしながら、試合の様子を見て勉強していた。現状に腐っている様子が見られなかった分、安心した。

第三試合のスンビート同様、田尻と山川もまた試合でお客さんに認知された選手になったのも、プロレスに対する真摯な姿勢があるからだろう。現・大日本タッグ王者でもある田尻と山川はアクエリアスのオーバーマスクで入場。

マスクマン・アクエリアスの正体が田尻だというのはすでに周知の事実だが、以前下関体育館でみたサブゥーとのシングルマッチが素晴らしかったので、もっとアクエリアスとしての試合も見たかったという気持ちもある。

だが、相手は石川一家としては下関初登場となる石川孝志と松崎駿馬。こちらには「スモーピオン!」「フィーバー!」という声がかかり、チャンピオンチームとの認知度の差をみせつける形になっていた。

だが、若さと勢いのある山川は松崎に狙いをつけて流血に追い込み、田尻が傷口にキックを連打。石川がカットに入れないくらいに隙がないのは、さすが王者チーム。攻める山川&田尻に対して、受けて耐える石川&松崎がベビー的な声援を集めていたのもある意味当然の流れだったかもしれない。

松崎が耐えて石川にスイッチすると大歓声。石川は山川を捉えて場外戦の返礼。松崎が田尻を牽制し、リングに戻った石川は山川にスモーピオン!だが、これは状況をよくみていた田尻がカット!

ここから流れは再び王者組に傾いた。前半のダメージが残る松崎に集中砲火を浴びせ、ムーンサルト、ニールキックと畳み掛ける。とどめは田尻がドラゴンスープレックスで、松崎を仕留めた。

ベテランのうまみを若い力が勢いで押し切ったような試合だった。石川も王者組に対してノーサイドで握手を求め、両軍は健闘を称えあった。

最後は田尻がバク宙連発で華やかにしめた。非常に噛み合ったいい試合だった。

第六試合:45分一本勝負
×志賀悟(シャドウWX) 対 〇ザ・グレート・ポーゴ
(11分8秒 チェーン絞首刑→失神KO)

グレートと名を変えてもポーゴはやはりポーゴ。序盤こそまともなレスリングで志賀を圧倒したものの、それもつかの間。凶器攻撃のオンパレードで、本性を現していく。

さらにシャドウから手渡されたドリルを使い、志賀を攻めたてる。そこからチェーンを巻きつけての首吊り刑で、志賀を失神KO。

当然、ゴングが鳴っても攻撃の手を緩めないポーゴ。すでに志賀はグロッキー。ここでおっとり刀で小鹿社長が乱入。手に持った黒バットを振り回してポーゴを蹴散らしていく。その雄姿に大小鹿コールがおきる。

そのコールの中、ポーゴがマイクをもつ。「おい、小鹿!てめえ、後楽園がお前の墓場だ!この小鹿のバンビが!」と矛先を小鹿社長に変えて戦線布告。

これに対して「おい、ポーゴ!外人連れてくるなら、もう少し大きいのを連れてこい!このヤロー!」と返す小鹿社長。

場内はこの日一番の大喝采。カードのない小鹿社長が主役になってしまった。

第七試合:時間無制限一本勝負
デンジャラス・スペシャルワイヤーボード・ストリートファイトデスマッチ
ケンドー・ナガサキ&〇川畑輝鎮(新東京プロレス・石川一家) 対 中牧昭二&×小林源之助(現・アブドーラ小林)
(11分21秒 ダイビングセントーン→片エビ固め)

ナガサキが会社に要望してまで実現した川畑とのタッグ。旧NOWコンビだが、わかる人いるのかな?事実、現在の川畑は新東京の人間だし。

試合はとにかくナガサキの強さが目立つ目立つ。グラウンドでは巨大を素早く潜り込ませて、相手の足をとってのデスロック。明らかにグラウンドでは分が悪い中牧に対して、更に足首固めに移行。そこから股裂きに移行して、拷問技のオンパレード。違う意味でデスマッチになってしまった。苦悶の表情を浮かべる中牧にしてみたらたまったものではないだろう。

一方の小林には容赦ない場外戦の洗礼。椅子で滅多打ちにした後、有刺鉄線ボードを投げつけて、荒れっぷりはまさに鬼神の如し!まさに喧嘩屋ナガサキの本領発揮!

中牧も蝶野戦で盗んだ?STFや十八番のヘッドバットで反撃するが、付け焼き刃にしかならない。挙句小林と中牧は川畑に綺麗に分断されてしまう。

既に小林は大流血。しかも中牧と切り離されてローンバトルに。最後は川畑のダイビングセントーンで万事休す。

このシリーズ、ナガサキは各所で鬼神の如き暴れっぷりを見せていたらしいが、この日もそうだった。本気のナガサキの恐ろしさをまざまざと見せつけられた試合だった。

全体的に試合のクオリティもよく、今年のベスト興行だったと言ってもいい。冷房切られていたのは参ったけど、試合の熱がハンパなかった。非常にインディの面白さが詰まった大会だったと思う。面白かった!

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