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[プロレス観戦記復刻版] WAR「革命点火・6」第三戦・下関大会(1997年7月28日)

更新日:

WAR「革命点火・6」第三戦・下関大会(1997年7月28日(月)海峡メッセ下関:観衆:1650人)

イントロダクション

台風一過なのに雲が残って雨模様になっていた。このなんともいえない空気が物語るような興行だったと思う。

行きがけの途中500円玉を拾ったりちょぼちょぼラッキーはあったんだけど。

海峡メッセに着いて、立ち見席買おうと思ったら、立ち見が出てない。結局前売りと同じ金額で、後方なのにリングサイドの席を買う羽目になってしまった。

ちょっとでも売上を上げたいんだろうと思うけれど、ポスターに記載されている件くらいは最低限並べて売って欲しかった。料金設定も全日より高かったし、子供券を除くと得リンとリングサイドの二つしかないっていうのはちょっと不親切だと思った。

第一試合:30分一本勝負

○超電戦士バトレンジャーZ(10分9秒 膝十字固め)●多留嘉一

席に着くとリングの向こう側がガラス貼りになっていて、リングの光景がそのまま写っているという、なかなか幻想的な光景を見ることができた。

この日噂の武輝応援団が来場していた。彼らの応援目的は多留嘉一。多留には多くの紙テープと声援が飛んだ。

試合は序盤から格闘技色の強い試合展開となり、中途半端なマニアが「上野打たれ弱いなぁ」などと言っていたが、私にはバトレンジャーが多留の良さを引き出そうとしていたように思えた。

多留もプロレス的な動きによくついて行っていたが、ただしそれで試合が面白くなるかというと、そういうわけでもなかった。

バトレンジャーは多留の良さを引き出しきれてはいなかったし、多留はここぞというところで技のミスが目立った。

結果は終始関節技で押していたパトレンジャーが、多留から膝十字で勝利した。

第二試合:30分一本勝負

○太刀光修(11分44秒 タチクラッチ)●三宅綾

ある意味マニアックなカード。そして期待通り三宅っぽさが存分に発揮されていたカード。

反撃が続かない。すぐやられる。観客のアルミ缶を凶器にするものの、それ止まり。

やっぱりある程度攻めてても、太刀光には一発で跳ね返され、挙句の果てには四方にアピールしての、川津落とし4連発からのタチクラッチで、三宅は沈められてしまった。

最後にのびた三宅を蹴り付けてリングを後にする太刀光。のびたままの三宅に手を貸すものは誰もいなかった。

第三試合:30分一本勝負

○安良岡裕二(14分25秒 ダブルアーム式DDT→片エビ固め)●石井智宏

前の週に地元 FM 局でキャンペーンを行った安良岡。忘れなければ持ってくると言っていた IJ シングルのベルトは、結局持ってきてはいなかった。

さて対する石井は WARの中では珍しい?逸材。確かに若い頃の高田に似ていなくもない。

しかし新人ながら、石井は闘志・テクニックとも、安良岡によくついていった。試合としてはジュニアにありがちなハイスパートな展開ではなく、地に足のついたじっくりした攻防が見られた。

途中何度か安良岡もフィニッシュに持って行こうとするものの、その度にカウント2で跳ね返していく石井。これには会場は大いに湧き上がった。

ついには新人相手に安良岡は落差のあるDDT を決めたが、これもカウント2で返す石井。

なればと獣神サンダー・ライガー相手にも出した、ダブルアーム DDT まで繰り出した安良岡。これでフィニッシュとなった。

最後さすがに立てない石井に健闘を称える安良岡。そして四方に頭を下げる石非。非常に素晴らしい好勝負だった。

休憩

休憩中天龍選手のサイン会があった。実はこの日までバイト先のエアコンが故障していて、猛暑の中仕事をしてきたことと、ここ数週プロレス着けになっていたこともあり、体に疲労が溜まりまくっていて、席を立つ気力も持てず参加できなかった。

今にして思うとちょっと残念な気持ちもあったが、でも不思議と後悔する気持ちにもならなかった。なぜだろうか。

第四試合:30分一本勝負

○ターザン後藤(5分31秒 ラリアット→片エビ固め)●一宮章一

前奏付きの「汚れた英雄」は今回はじめて聞いたかもしれない。

さて、前回は3分、今回は5分。シングルで新人が後藤相手によくもった方だろうと思う。

メインイベンターとして、決して観客の前に姿を見せなかった後藤。そのプライドの高さを見た思いがした試合だった。

第五試合:30分一本勝負

天龍源一郎&嵐&○ランス・ストーム(12分38秒 パワーボム→エビ固め)北尾光覇&望月成晃&●岡村隆志

試合前のお楽しみ。それは入場テーマ曲における「サンダーストーム」対決。デーモン閣下が作った「超闘王のテーマ」に乗って、武輝道場が入場すれば、方や、高中正義作曲の、でもオリジナル版ではないサンダーストームに乗って、天龍組も入場。

例の武輝応援団が野太い声援と紙テープを、岡村と望月に大量に投げ入れた。しかし北尾塾頭にはおざなりの紙テープが一本だけ。非常に正直な人達だ。

天龍選手が以前「WARにはコンサートマスターはいないのか」ということを言っていたが、残念ながらその通りだったようである。

考えてみれば、相手があの北尾ではそれを望むべきではなかったかもしれない。足りたいピースをカバーするには、天龍を除く各選手ではキャリア不足だったような気もする。

武輝勢はいい感じで攻めていたが、天龍がグーパンチを出そうとすると、あまりの迫力に、岡村が一歩引いてしまう場面もあった。このように、積極的に天龍選手が仕掛けていたのも印象的だった。

ただ、北尾が出るとみるや、突っかかっていく。それはいいのだが、だんだん雲行きがおかしくなってきた。序盤のランスと岡村や望月といったところの、技と技の攻防から一転。北尾が出てくるや、一発一発で吹っ飛ばしていく。そのど迫力に場内騒然!

元々参戦予定がなく、スポット参戦の予定だった北尾が急遽参加してきて、しかも、かなりの気合いの入りかた。天龍も突っかかっていくが、深追いしすぎて、北尾を椅子で滅多打ちにするわ、机を破るは、で北尾を大流血に追い込んでしまう。

この辺りから試合がドタバタし始めてきた。望月や岡村あるいは、ランスがなんとか試合として形を作ろうとするが、肝心の大将同士は頭に血が上って、相手のことしか目に入ってはいない様子。

ついにプッツンした北尾は、怒って天龍を追いかけ、場外マットのないところでキタオドリラーを炸裂させた。これによって、天龍は場外でのびてしまい、場内どよめく!

試合は結局ランスが岡村をピンフォールしたが、リング上は誰も見てはいなかった。試合後なおも突っかかっていく嵐。リング上からマイクアピールした。

「北尾!今すぐここでやってやるぞ!」とアピール。ただ、それをなぜ試合中にやらないのかな?そういや嵐は試合中、何にもしていなかったし。

やはりWARにコンサートマスターはいなかったか。それにしてもやはり切れた時の北尾の強さというのは、十二分に伝わった。北尾のマイクで「天龍、俺はキレたぞ!キレたからな!」と言っていたので間違いないだろう。

冗談はともかくとして、本当に迫力があった。いつもこのぐらい頑張ればいいのにね。

第六試合:45分一本勝負

○荒谷信孝(11分10秒 レフェリー暴行→反則勝ち)●アブドーラ・ザ・ブッチャー

この日では一番の拾い物の試合。

荒谷は、元々デスマッチ団体のエースとして、またいくつかのそういった試合経験もありながら、自らの正統派としての枠に縛られた感があった。

特にWAR移籍後は、それが顕著に出てしまい、全くと言っていいほど精彩がなかったの。

ただ、この日の荒谷は久々にいい顔をしていた。

と言っても、それはブッチャーによって流血させられてからの話。相変わらずと言うかブッチャーは、レフェリーには全く見せず、お客さんにははっきりわかるという凶器の使い方をする。もはや名人芸の域である。

しかし、ブッチャーも、ぶつかり合いで少々よろけたりしてしまう。寄る年波では仕方ないか。

荒谷も果敢に攻め込むが、いかんせんここぞというところで一発逆転を許してしまう。

結果はありがちなレフェリー暴行による反則を取られて、ブッチャーが反則負けになった。

ただ、この前の後藤の試合で、あれだけやられた海野レフリーが、2度リングから落とされただけで、反則を取るというのはおかしいなと思った。

ゴングが鳴っても2人は場外でもつれあう。この手の試合での定番ではあるが妙に懐かしかった。

第七試合:60分一本勝負

○北原光騎(11分55秒 ジャックナイフ式パワーボム→エビ固め)●平井伸和

両者ともWAR生え抜きという点では共通している。北原は全日本から、平井はSWS から、それぞれ天龍についてきた、いわば龍魂の継承者でもある。

それが天龍を差し置いて、メインに抜擢されたとなれば、少々二人がしょっぱい選手とはいえ、後継者としてそれらしい才能の片鱗くらいは見せてくれるのではないかな、と期待していた。

しかし、その期待は、残念ながらあっさりと裏切られてしまった。

平井は、北原の泣き所の膝を攻めるけれど、その攻めが中途半端。対する北原は北原で、相変わらずと言うか、単調な攻め。

前の試合がドタバタしつつも、会場をヒートさせていたのに、あっという間にその空気が覚めてしまうのがわかってしまう。そのやりにくさを差し引いたとしても、せめて魂のぶつかり合う攻防一つでも見せてほしかった、というのが正直な気持ち。

その片鱗さえなく、加えて二人には今置かれている立場しか目に入っていないのでは話にならない。

軍団抗争よりも、このカードの組まれた理由を、二人はよく吟味した上で、なおかつこの日の興業を締めて、お客さんを満足させて帰らせなければならない。

メインイベンターという立場を考えていたなら、少なくともこんな試合はできないだろう。

結果はなんとも味気ないものだった。試合後引き上げていく平井に「博多ではこうはいかないからな!」と北原がマイクアピール。

龍魂の継承戦どころか、博多大会の予告編にしかならなかったとは。これがこの二人の限界なのか?この2人にとってWARの6年間ってそんなものしかなかったのか?ここまで期待をかけてしまった自分が馬鹿だったのか?

色んな思いが頭の中をぐるぐる回ってしまい、なんとも虚しい思いで、すっかり気が重くなってしまった。北原がプロレス誌でのインタビューで言っていた言葉が、帰り道の私の頭の中をリフレインしていた。

「プロレスのことを語らせたら2分で終わるけれど、格闘技を語らせたら一晩中でも大丈夫!」

そんなことを言っているから、こんな試合しかできないんだよ、と思ってしまった。

後記

気がつくとご当地発の興行合戦という観点も久しぶりの3連続観戦という事実も綺麗に頭の中から消え去っていた。

プロレス見に行ってこんな重苦しい気分で帰り道に着かなければならないなんて、なんだかなぁという気分になった。






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