*

[プロレス観戦記復刻版] 全日本女子プロレス下関大会(96.9.26)

2020/05/29

全日本女子プロレス下関大会(96.9.26)

これはワープロで書いて印刷していた観戦記からの文字起しをしたもの。文字通り一からタイピングしなおした。時間がないとなかなかこの作業はできないのだ。

さて、この大会は海峡メッセ下関における「プロレスこけらおとし」となった。当然今井リングアナもしっかりアピールしていた。

まずは久々に歌のコーナーがあり、D.power(豊田真奈美・伊藤薫・吉田万里子・玉田りえ・府川唯未)が登場。世代的に歌のコーナーがあると、「ああ、全女に来たんだなあ」という感じがする。リング上でメンバーがやたら売店のほうを向いて手を振るので、そちらを見ると、立ち見の人の頭越しにうちわをもって踊る山田敏代の姿が…

どうも椅子の上に立って踊っていたらしい。ひところ売店でも、近くによるのもはばかられるくらいに暗くて、握手した力もプロレスラーとは思えないほど弱々しかった山田がこの変わりよう!GAEAで吹っ切れたというには本当だったんだあ。とても感慨深かった。その変化は試合にも表れていた。

ふとみると、セコンドについていた田村欣子が足を引きずりながら仕事をしていた。こちらは顔色も悪くコンディションもよくなさそう。大丈夫かなと思っていたが、試合にはでていた。

海峡メッセと下関体育館の大きな違いは、照明をおとす体育館と違って、全部ついている分、ちょっと試合に集中しにくかった。この点は下関体育館の環境の方がよかったかな。ただ、メッセは下関駅から徒歩で行けるという立地条件のよさが最大の魅力。実際「一見」のお客さんもたくさん来ていたようだった。気が付くとほとんどの席は埋まっていた。もっとも二階がないメッセと、そうでない体育館との単純比較はできないが。

エキシビジョン
サヤ・エンドー 対 中西百重

けがのため欠場していたエンドーは、新人の中西を相手に5分間のエキシビジョンに登場。中西は栗栖ジム出身の有望株。なんといってもエルボーの打ち方が師匠そっくり。さすがにイスこそ使わなかったけど、ストンピングもよく似ている。浜口ジム出身者が浜口エルボーをうつのと同じような感じ。やっぱ女子で栗栖さんのカラーをもっている選手は結構新鮮だった。

試合は5分時間切れ引き分け。エンドーの復帰はもう少し時間がかかりそうな感じがした。

第一試合

川本八千代 対 脇坂美穂

まず気になったのが2人の表情が髪の毛に隠れてよく見えなかったこと。別に新人だからといって坊主にしろとはいっていない。でも顔のよくわからない新人だからこそ、表情くらいはわかりやすくして見せてほしい。ことに新人の時は技術より気迫が要求される。それは顔だけでなく全身でも醸し出さねばならないが、まず顔に闘志の感じられない新人は見ていて面白くない。それが見えないという事は致命的といってもいい。

二人とも上背があり、身体も柔らかくルックスもいい。余計に惜しく感じられた。試合展開は2人ともグラウンドでいいポジションをとっても、そこからあとが続かない。なんとなく格闘技チックな動きが目立ったが、オーソドックスな「全女スタイル」に移行してからは、試合がスムーズに動き出した。とりあえず基礎が固まるまでは、いろんなものに手を出すのは控えたほうがいいのかもしれない。結果は脇坂のフォール勝ち。

第二試合 ミゼットプロレス
ミスター・ブッダマン 対 角掛留造

海峡メッセ初使用記念と銘打たれた試合だったが、特別なことをするわけでもなく、いつもの小人プロレスだった。リトルさんが一線を退いてからは、この2人しか選手がいないわけだけど、正直、クオリティが・・・・

まあ、毎回おんなじだから仕方ないか。

第三試合

椎名由香&府川唯未 対 田村欣子&元気美佐江

この4人ならもっとハイレベルな試合ができたのではないだろうか?最初にも書いたけどとにかく田村のコンディションが悪い。しかも元気が試合のほとんどに出ずっぱりだったのだけど、結局椎名も府川も攻めきれなかった。椎名&府川はチームらしくコスチュームの色をそろえていたのだけど、その甲斐もなかったように思えた。

今の格的にはあとからコールされてもいい府川。しかし現実は椎名があとにコールされ、試合中も府川はつかまりっぱなし。「やはり玉田がいなければダメなのか?」といわれるのは本人的にも屈辱だろう。椎名にしてもあまりカットに入る積極性も感じられず、府川を半ば見殺し状態にしていた。それでいてツープラトンの連携にはこだわろうとする。何かちぐはぐなのだ。

対して、出ずっぱりだった元気は、田村をカバーして余りある元気っぷり。攻められても危なげなく、攻め手も頼りがいがある活躍ぶりで、不振の田村をカバー。結局府川から一本取ってしまった。

この4人のポテンシャルなら休憩明けの6人タッグにだれが入っていてもそん色がなかったはず。なぜ玉田だけが昇格できたのか?それは元気を含めた4人が考えないといけないことだろう。決してたまたまこうなったとは私にはどうしても思えなかったのだ。

第4試合

豊田真奈美&吉田万里子&伊藤薫 対 山田敏代&三田惠津子&玉田りえ

キャリア的に一枚劣るとみられていた玉田だが、序盤から全力全開で飛ばす飛ばす!前半は玉田の頑張りと勢いに目をうばわれた。さらに売店で踊っていた山田も動きがよかった。本当に踊るかのように闘っていた。ともすると、自身の得意技であるキックが試合の流れを寸断することもあっただけに、この日は流れるように、キレイでしかも確実な技をひとつひとつ丁寧に決めていた。人間、気持ちの持ちようでこんなに変わるものかと驚かされた。

しかし、山田のノリ、玉田の頑張り、そして決して動きが悪くはなかった三田をもってしても、飛翔天女・豊田真奈美は動じない。相手の良さを引き出すのと同時に、それ以上のものを出してくる。まさに豊田マジックといってもいい。これが王者の貫禄というものなのだろうか?

この日の豊田はいったん火がつくととまらない感じがした。一進一退の攻防をしつつ、少しずつ自軍の有利な流れにもっていくあたりはさすがとしかいいようがない。徐々に手数を増やして山田たちを追い込んでいった。

負けたとはいえ、玉田は体の厚みも増していたし、試合内容も上と遜色もないところまできているのが感慨深かった。

第5試合 下田美馬 対 チャパリータASARI

カード的には興味をそそられたが、いざ試合が始まってみると、体の小さいASARIを下田が攻めあぐねている印象。かといってASARIも体格に勝る下田を攻略しきれないでいる。攻めも守りも中途半端でかみ合わない試合になってしまった。前後の試合がよかっただけに、期待した割には凡戦になってしまった。プロレスって難しいなあと改めて思った。

第6試合 アジャ・コング&井上貴子 対 堀田祐美子&渡辺智子

地方でのアジャの人気はそりゃもう絶大。メディアに出ている知名度というのはそれくらい地方では絶対なのだ。貴子は男性から、堀田はマニア層から?そして渡辺はなぜかお年寄りから声援を受けていた。

この試合でも格闘技っぽいムーブが散見された。どっちかというと格闘志向がある堀田は、スタンドでアジャとの首の取り合いに挑む。アジャもしばらくこれに付き合うが、会場の反応が鈍いとみるや、素早くローキックの連打を浴びせ、ダウンを奪って見栄を切る!この切り替えの早さは実に素晴らしい。空気を読んでさっと試合内容を変えられるのが、プロなのだ。このあたりのアジャの一連の動きは実にクレバーだった。

堀田もこれを見て切り替えたのか?以降は格闘技というよりプロレスよりな動きに転じていった。貴子はあまりプロレスを知らないであろう男性客の声援にこたえてちょっと昔のアイドルレスラーっぽい動きをみせていた。しかしところどころに「素の井上貴子」を織り交ぜているあたりに、心の中でペロッと舌を出している貴子の普段着の姿が垣間見えて、非常に興味深かった。

これは全試合に共通していたけど、会場が新しいせいか、場外戦が極端に少なくあってもフェンス内でおさめていたのが印象的だった。これは小人プロレスでも例外ではなかったので、おそらく会場に配慮した結果なのだろう。

そういえば、青のコスチュームだった渡辺智子にはさかんに「がんばれー!青いの!」という声援が飛んでいた。確かにみた目「〇ラえもん」っぽいけど(笑)名前呼んでやれよ、って思ってしまった。

こうして4か月ぶりのプロレス観戦は幕を閉じた。でも結局色々心配した割には、4か月休んだくらいで、私のプロレス熱は収まらなかったのだなということを痛感させられた。やっぱプロレスはやめられない。

にほんブログ村 格闘技ブログ プロレスへ

au公式/ビデオパス

-プロレスよありがとう!クレイジーでモンスターな好事家がマニアに捧げるメモリアルブログ, プロレス観戦記, プロレス観戦記復刻版, 全日本女子プロレス観戦記, 女子プロレス観戦記

『FREEDOMS vs がむしゃらプロレス 対抗戦』